「宿題やったの?」「早くやりなさい」。毎日のように同じことを言って、親も子どももぐったり……。そんな経験はありませんか?
私は小学生向けの学習塾で約5年間、1年生から6年生までの子どもたちを担当してきました。宿題をやってこない子は、毎年どの学年にもいました。でも、関わり方を少し変えるだけで、宿題に取り組めるようになった子もたくさん見てきました。
この記事では、塾で見てきた「宿題を嫌がる理由」と、家庭でできる4つの工夫、そして逆効果になりやすい関わり方を紹介します。
宿題を嫌がる子によくある3つの様子
宿題を嫌がる子には、だいたい次のような様子が見られます。
- やってこない・忘れる:「忘れた」「やる時間がなかった」と言う
- 後回しにする:寝る前やギリギリまで手をつけない
- 雑に終わらせる:字が乱れる、空欄が多い、とにかく終わらせることが目的になっている
どれも「やる気がない子」に見えますが、実はその裏に理由があることがほとんどです。
嫌がる理由は1つではない
塾で子どもたちと話していて多かった理由は、次の4つです。理由によって、効く関わり方も変わります。
| 嫌がる理由 | 子どもの気持ち | 効きやすい関わり方 |
|---|---|---|
| 量が多く感じる | 始める前から気が重い | 量を小分けにする |
| 内容がわからない | やっても解けないから、やりたくない | わからない所を一緒に確認する |
| やる意味を感じない | 「なんでやるの?」と思っている | 本人に決めさせる・できた所をほめる |
| 親に言われるのがいや | 言われるほどやる気がなくなる | 始める時間を決めて、あとは任せる |
まずは「どうしてやりたくないの?」と、責めずに理由を聞いてみてください。理由の聞き方は、こちらの記事でも紹介しています。
宿題をやってこなかった子が変わったきっかけ
私が担当した6年生の男の子に、宿題をやってこない日が続いた子がいました。そのとき、私がしたのは次のようなことです。
- まず、なぜできなかったのか理由を聞く
- そのうえで、やってこなかったことはその場できちんと伝える:宿題は次の授業までに終わらせて参加するもの、という約束をあらためて確認しました
- 授業のあと、残れる時間まで教室に残ってもらう:「今日はどこまでやる?」と本人に決めさせて、その分をその場で終わらせました
- 残りは、次の授業までに終わらせてくるよう伝える
すると、その後は自分で決めた分の宿題を、ちゃんとやってくるようになりました。
ポイントは、頭ごなしに叱るのではなく理由を聞いたこと、そして「どこまでやるか」を本人に決めさせたことだと思います。人に言われた量ではなく、自分で決めた量だからこそ、守ろうという気持ちが生まれたのだと感じています。
反対に、宿題をやってこなかった日は、もともと力のある子でもその力が発揮できない場面がありました。宿題は、授業で力を出すための準備でもあるのです。
※記事内の事例は、個人が特定されないよう内容を一部変えています。
家でできる4つの工夫
塾で効果があった方法を、家庭でも取り入れやすい形で紹介します。
工夫① 本人に決めさせる
「どこからやる?」「今日はどこまでやる?」と、やる順番や量を子ども自身に選ばせます。自分で決めたことは、人に言われたことより守ろうとする気持ちが強くなります。上の6年生の男の子も、このやり方で変わりました。
工夫② 始める時間を決める
「帰ってきておやつを食べたら」「夕ごはんの前に」など、宿題を始める時間を毎日同じにします。時間が決まっていれば、親が毎回「やりなさい」と言わなくても済みます。決める時間も、子どもと一緒に話し合って決めるのがおすすめです。
工夫③ 量を小分けにする
量が多く感じる子には、「まず3問だけやってみよう」と区切ってあげます。始めてしまえば、そのまま続けられることも多いです。
家庭学習なら「1日1ページ」のように、小さな量を毎日続けるほうが身につきます。私も保護者の方に、よくこの「1日1ページの積み重ね」をお願いしていました。
工夫④ できた所をほめる
全部終わってからではなく、途中でも「ここまでできたね」と声をかけます。正解したかどうかより、取り組んだこと自体を認めてあげてください。
ほめるときは、具体的に伝えるのがポイントです。「字がていねいに書けてるね」「この問題、自分で考えて解けたね」と言われると、子どもは何がよかったのかがわかり、次もがんばろうと思えます。
やりがちだけど逆効果なこと
よかれと思ってやっていることが、かえって宿題嫌いを強めてしまうこともあります。
- 「早くやりなさい」を何度も言う:言われるほど反発したくなります。時間を決めたら、あとは任せてみましょう
- 横で見張って、すぐ口を出す:子どもが自分で考える前に答えが出てしまいます。そばにいるなら、困ったときに声をかけられる距離で見守るくらいがちょうどいいです
- 間違いをすぐに直す:やる気がしぼんでしまいます。まずは最後までやらせて、あとで一緒に見直しましょう
- ほかの子と比べる:「〇〇ちゃんはできてるのに」は、自信をなくすだけです。比べるなら、昨日のその子と比べてください
わからなくて手が止まっているときは
宿題を嫌がる理由が「わからない」の場合、特に多いのが算数の文章問題です。問題文の数字や単位を読み落としたり、何を聞かれているかを取り違えたりして、解けるはずの問題で手が止まってしまいます。
そんなときは、問題文を声に出して読む(音読する)のがおすすめです。声に出すと、聞かれていることや数字・単位の読み間違いに、子ども自身が気づきやすくなります。
家庭学習のきっかけづくりに
「毎日少しずつ取り組む」習慣をつくるには、家庭学習用の教材を使うのも一つの方法です。
■ こどもちゃれんじ/進研ゼミ(ベネッセ)
幼児向けの「こどもちゃれんじ」と、小学生向けの「進研ゼミ小学講座」があります。わが家でも、子どもが小さいころに「こどもちゃれんじ」を使っていました。毎月決まった量が届くので、少しずつ続ける習慣づくりに向いていると感じます。まずは無料の資料請求で、内容を確かめてみるのがおすすめです。
■ ワンダーボックス
パズルやプログラミング、アートなどの教材が毎月届く、4〜10歳向けの通信教育です。遊びながら「考える力」を育てることを大切にしている教材です。
※受講費や教材の内容は変わることがあります。お申し込みの前に、公式サイトで最新の情報をご確認ください。
まとめ:「やりなさい」より「どうする?」
- 宿題を嫌がる様子には「忘れる」「後回し」「雑に終わらせる」がある
- 嫌がる理由は「量」「わからない」「意味を感じない」「親に言われる」の4つが多い
- 家でできる工夫は「本人に決めさせる」「時間を決める」「量を小分けにする」「できた所をほめる」
- 「早くやりなさい」の連呼、見張る、すぐ直す、比べるは逆効果になりやすい
- 手が止まっているときは、問題文の音読も試してみる
宿題は、毎日のことだからこそ、親も子どもも疲れてしまいがちです。まずは一つだけ、今日からできそうな工夫を試してみてください。
「できた!」の積み重ねについては、こちらの記事でも紹介しています。
→ 元塾講師が見てきた「伸びる子」の共通点|小学3年生までに身につけたい3つの学ぶ習慣
※この記事の内容は、運営者が塾講師として子どもたちと関わってきた経験にもとづくものです。お子さんによって合う方法は違いますので、様子を見ながら取り入れてください。

