「うちの子、このままで大丈夫かな」「勉強が好きになってくれたらいいのに」。小学生のお子さんを持つ親御さんなら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。
私は小学生向けの学習塾で約5年間、講師として多くの子どもたちと関わってきました。その中で、ぐんぐん伸びていく子には、いくつかの共通点があることに気づきました。そして、その土台は小学3年生くらいまでにつくられると強く感じています。
この記事では、現場で見てきた「伸びる子」の3つの学ぶ習慣と、子どもたちの様子から感じた、それを支えるご家庭の関わり方を紹介します。
なぜ「小学3年生まで」が大切なのか
小学4年生になると、学習の内容が大きく変わります。低学年のうちは、目に見えるものや身近な場面をもとに考える問題が中心です。それが4年生になると、角度やがい数のように、頭の中でイメージしないと理解しにくい内容が増えてきます。2けた同士のかけ算のように、低学年で身につけた計算が土台になる単元も出てきます。
この時期にそれまで順調だった子がつまずくことは、一般に「9歳の壁」「小4の壁」と呼ばれています。
塾で子どもたちを見てきた私の実感としても、9歳くらいまでに積み重ねた経験が、その子の「基盤力」になり、その後の伸び方を左右するほど大切だと感じています。だからこそ、3年生までに「学ぶ習慣」を身につけておくことが大事なのです。
習慣① 「できた!」を自分で感じ取れる
伸びる子の一つ目の特徴は、取り組んでいる教材を自分の力で解いて、「できた!」という手ごたえを感じ取れることです。
大人に答えを教えてもらって正解するのと、自分の力で解いて正解するのとでは、子どもが感じる喜びがまったく違います。この小さな「できた」の積み重ねが、勉強を「楽しい」と感じる気持ちにつながっていきます。
実際に、「できた」を積み重ねられるようになった子は、ある時期から成長していくスピードが目に見えて変わりました。勉強が「やらされるもの」から「自分でやりたいもの」に変わった瞬間だったのだと思います。
習慣② 自分から挑戦し、わからないときは素直に聞ける
二つ目は、難しい問題に向き合うときの姿勢です。伸びる子は、難しい問題を前にしても、まずは一度、自分で取り組んでみます。
そして、それでも理解できないときは、素直に「わからない」と伝えられます。わからないことを隠したり、あきらめたりしないのです。
そんなとき、私は答えをそのまま教えるのではなく、解き方のヒントだけを伝えるようにしていました。すると、子どもは自分で解き方に気づき、その後は自分からどんどん次の問題に挑戦していく姿を何度も見てきました。
「自分でやってみる」→「わからなければ聞く」→「ヒントをもとに自分で気づく」。この流れを経験した子は、難しい問題を怖がらなくなります。
習慣③ 宿題を最後までやりきる
三つ目は、宿題をきちんと守って、最後までやりきる習慣です。
宿題は、量としては多くありません。でも、毎回やりきることで「決めたことを最後までやる力」が育ちます。この力は、学年が上がって勉強が難しくなったときに、粘り強く取り組む支えになります。
伸びる子のご家庭がしていること
3つの習慣は、子どもだけの力で身につくものではありません。塾で子どもたちの様子や話に触れる中で、伸びる子のご家庭にはいくつかの共通点があると感じました。
そばで見守り、宿題の進み具合を確認している
宿題をやりきる子の話を聞いていると、おうちの方がそばで見守ったり、宿題の進み具合をさりげなく確認したりしている様子が伝わってきました。つきっきりで教える必要はありません。「見てくれている」という安心感が、子どもの頑張りを支えます。
塾任せにせず、取り組み方を理解している
伸びる子は、おうちでも塾での取り組みについて声をかけてもらっている様子がうかがえました。塾に任せきりにせず、宿題や問題の解き方、塾への向き合い方について、おうちの方がタイミングよく声をかけているのだと思います。
お父さんも一緒に関わっている
子どもたちの話から、お母さんだけでなくお父さんも学びに関わっているご家庭では、子どもの取り組み方にはっきりとした違いが出ていると感じました。家族みんなで応援している雰囲気は、子どもにもしっかり伝わります。
気をつけたい声かけ
反対に、子どものやる気を下げてしまうと感じたのが、なぜできないのか理由を知らないまま、焦らせてしまう声かけです。
たとえば「早くしなさい」「なんでこんな問題ができないの」といった言葉です。親としては心配だからこそ出てしまう言葉ですが、子どもはどこでつまずいているのかを自分でも説明できず、ただ焦ってしまいます。
そんなときは、まず「どこまでわかった?」「どこで止まっている?」と聞いてみてください。つまずいている場所がわかれば、かける言葉も自然と変わってきます。そして、自分で解けたときには「自分でできたね」と、結果だけでなく取り組んだ過程を認めてあげることが、次の「できた」につながります。
まとめ:小さな「できた」を一緒に積み重ねよう
小学3年生までに身につけたい3つの学ぶ習慣をおさらいします。
- 自分の力で解いて「できた!」を感じ取る
- まず自分で挑戦し、わからないときは素直に聞く
- 宿題を最後までやりきる
そして、その習慣を支えるのが、そばで見守り、塾任せにせず、家族みんなで関わるご家庭の姿勢です。
特別なことをする必要はありません。今日、お子さんが自分で解けた問題を一つ見つけて、「自分でできたね」と声をかけてみてください。その小さな積み重ねが、4年生以降の大きな力になっていきます。
※この記事の内容は、運営者が学習塾の講師として子どもたちと関わってきた経験にもとづくものです。お子さんの成長のペースには個人差があります。


